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中古車業界のインフラ構築へ。カーベース代表が語るFlex Capital導入の狙い

カーベース株式会社 様
「自動車業界の流通を、スマートに。」というミッションを掲げ、テクノロジーの力で自動車業界の新たなインフラを創ることを目指すカーベース株式会社。2021年10月、中古車ディーラー同士のオークションプラットフォームとして事業をスタートし、その後、中古車ディーラー向けファイナンスサービス「カーベースファイナンス」へと事業の重心を移してきました。また、一般消費者向けにも中古車買取サービス「カートリ」を展開、自動車の流通に関わる事業者・消費者双方に価値を届けています。
新規性の高い事業であるがゆえに銀行融資のハードルが高い中、カーベースはディーラーからの買取債権を継続的に積み上げていくため、エクイティとデットを組み合わせた資金調達を進めてきました。そんな中、シリーズAに向けて実績を積み重ねる過程で、株主であるVCからの紹介をきっかけに、Flex Capitalのベンチャーデット活用に至りました。
本記事では、代表取締役CEOのハニーフ・アブドウラさんに、事業ピボットの背景からFlex Capital導入の決め手、エクイティとデットの使い分け、そして今後の展望まで詳しく伺いました。

目次

「自動車業界の流通を、スマートに。」カーベースが目指すインフラの姿

ーー まずは、カーベースの事業内容を教えてください。
私たちは、ものが循環することで成り立つ社会において、自動車の流通の非効率を解消し、ユーザーが「もっと快適に、もっと自由に」なることを目指しています。中古車ディーラー向けには、在庫車両を手放すことなく資金化できるファイナンスサービス「カーベースファイナンス」を提供しています。また、一般消費者向けには中古車買取サービス「カートリ」を展開しています。買取査定にあたっては、オークション相場や輸出市場の動向を含む自社の車両評価データを活用し、お問い合わせから査定額のご提示までをオンライン完結でスムーズに進められる仕組みとしています。
このように、事業者・消費者の双方に価値を届けることで、自動車の流通全体を支えるインフラとしての存在感を高めていきたいと考えています。

  • ハニーフ・アブドウラ|カーベース株式会社 代表取締役CEO
  • 大学卒業後、ヤフー株式会社に入社し、検索システムの開発・刷新業務に従事。学生時代から自動車業界向けのソフトウエア開発など「自動車業界×IT」の領域に携わり続け、2021年にカーベース株式会社を創業。

業者間オークションからディーラー向けファイナンスへ──事業ピボットの背景

ーー 現在の事業に至るまでの経緯を教えてください。

もともとは、中古車ディーラー同士が取引を行うオークションプラットフォームとして会社を立ち上げました。そこから、中古車ディーラー向けのファイナンス事業へと軸足を移しています。

車の販売業者は、在庫車両という資産を持っていても、それを裏付けに銀行から融資を得ることが難しいという課題を抱えています。一定の売上実績があっても、業界特有のイメージから金融機関の融資判断が慎重になりやすく、車両という資産価値の高いものを保有していながら、資金繰りに困るという矛盾した状況が生じていると感じています。私たちは、こうした構造的な課題を解決するために、在庫車両を活用したファイナンス事業を開始しました。

ーー 具体的に、カーベースはどのようにディーラーへ資金を届けているのでしょうか。

エクイティやデットで調達した資金を原資として、ディーラーが保有する在庫車両を裏付けとした債権を買い取ることで、資金を供給しています。私たちの役割は、いわば「ディーラー向けの債権買取事業」を通じ、ディーラーの皆さまの資金繰りを支えることです。買い取った債権の回収が進むことで実績が積み上がり、その実績をもとにさらに大きな資金を供給できる枠を広げていく。この循環を回し続けることが、事業の根幹です。

VCの紹介で出会ったFlex Capital──決め手はスピードと予測可能性

ーー Flex Capitalを知ったきっかけを教えてください。

株主であるVCとのつながりの中でご紹介をいただき、お話を伺ったところ審査もかなり早かったので、まずは一度使ってみようと思ったのがきっかけです。

ーー 実際に利用してみて、審査プロセスや使いやすさはいかがでしたか。

申込プロセスがしっかり整備されているため、利用する側はファイルを登録して待つだけで審査が完了する、非常にシンプルな仕組みだと感じています。UIやUXについて、使う側の負担を意識して設計されているという印象です。

何度か審査をお願いしていますが、いつもスピーディーに同じようなタイミングでご回答をいただけるので、資金調達の動きを予測しやすい点が心強いですね。銀行の場合は、組織が大きく審査プロセスが冗長化する傾向があり、回答までの時間軸が読みにくい場合もあるので、そこは違いだと感じています。「必要な時に、必要な資金を確保できる」という予測可能性そのものが、成長フェーズにある私たちにとって大きな安心材料になっています。

銀行融資との使い分け、そして広がった経営判断の自由度

ーー スタートアップという点で、銀行とのコミュニケーションに難しさは感じますか。

銀行融資を通常のルートで受けようとすると、ハードルはかなり高いというのが実感です。窓口へ直接足を運んで相談するだけでは、必ずしも検討や評価の対象になりにくいのが実情です。そんな中でも、私たちの場合は、株主であるVCとのつながりを生かし、一般的な窓口ではなく、スタートアップ取引を担当する部署に取り次いでいただいたことで、事業の先進性についても一定の評価をいただくことができました。こうしたつながりがなければ、資金調達はかなり難しかったのではないかと考えています。新規事業に対する評価軸が定まり切っていない金融機関も多いからこそ、そうした特殊な事情を理解してくれる存在が必要になると感じています。

ーー 銀行融資とFlex Capitalは、どのように役割を使い分けていますか。

このような銀行取引の経緯もあり、Flex Capitalの審査スピードには特に安心感を持っています。運転資金としての役割で見ると、銀行融資と近い部分もあると感じています。ただし、私たちは資金使途に応じて調達手段を使い分けたいと考えており、Flex Capitalは事業の成長投資に近い部分での活用を意識しています 。スピード感を持って資金を確保できる点は、Flex Capitalならではの強みだと思います。

また、資金調達の選択肢が増えたことで、経営判断の自由度は大きく広がったと感じています。特定の調達手段に依存せず、事業のフェーズや資金使途に応じて手段を選べるようになったことは、経営として大きな意味を持っています。

エクイティとデットを併用し、実績を積み上げる

ーー エクイティとデットは、それぞれどのような考え方で使い分けていますか。

当社が行う債権買取事業は、債権を買い取るための原資となる資金をどの程度のコストで調達できるかが収益化の鍵となります。この原資をコストの高いエクイティだけで賄おうとすると、資本効率がどうしても悪くなってしまいます。そこで、銀行融資だけでなくベンチャーデットをはじめとした複数の手法を組み合わせながら、現在は調達を進めています。 

現時点ではまだ、デットだけでファイナンスの実行残高を積み上げるのは難しい段階にあるため、エクイティとデットの両方を活用している状況です。ありがたいことに、現状はかなり資金調達は進んでいますが、事業規模に対してはまだ十分とは言えません。今のフェーズでは、少額のデットを積み重ねながら実績を確実なものにしていくことを重視しています。

ーー 今後、エクイティとデットの比率はどのように変化させていく見込みですか。

ある程度信用が積み上がったタイミングで、デットの比率を大幅に高めていけると考えています。近い将来、そのフェーズに移行できれば、調達した資金をより事業成長に投じられるようになると思います。デットのコストはエクイティに比べて低く抑えられる一方、資金使途や事業フェーズによって適した手段は変わってきます。その時々の経営判断に最もフィットする選択肢を柔軟に選んでいくことを意識しています。

VCとの関係構築、そして信頼できるパートナーの見極め方

ーー エクイティ投資家であるVCとの関係を築くうえで意識していることはありますか。

私自身、もともとファイナンス畑の人間ではなくエンジニア出身のため、調達や銀行とのつながりを最初から持っていたわけではありません。同じような境遇の創業者は少なくないと思います。だからこそ、周囲のつながりを積極的に活用することを意識しています。VCの方々も出資を通じて私たちと同じ方向を向いてくれているので、そのネットワークを使わない手はないと考えています。自分たちの領域だけでは出会えないような相手と話す機会を得ることが、事業を前に進めるうえで大きな近道になると感じています。

ーー 信頼できるキャピタリストには、どのような特徴があると感じますか。

これまで多くのVCの方々とお話ししてきた中で、創業者のレベル感に合わせて親身に考えてくれる方は信頼できると感じています。本来そこまでする必要がない場面でも、踏み込んで一緒に考えてくれるような方は、やはり心強い存在です。

消費者向け・海外展開─企業価値の向上を見据えた 次の一手

ーー 今後の事業展望を教えてください。

まずはディーラー向けファイナンスの領域で市場シェアを獲得していきたいと考えています。
車が仕入れられてから販売され、消費者が数年乗った後に売却され、再びオークションに戻る──この循環の中で、私たちが継続的に資金を供給し続けられる状態を目指しています。その中で、在庫となっている車両の市場だけでなく、それと同等以上の規模を持つ消費者向けの市場も同時に開拓できると考えており、これが実現できれば、企業価値を大きく向上させる ものになると考えています。

ーー 海外展開についても視野に入れているそうですね。

国内でファイナンス事業者としての実績を積んだ後に、海外展開も視野に入れています。自動車業界のファイナンスが抱える根本的な課題は、日本も海外も近いものがあると捉えており、解決の方向性そのものは今取り組んでいるものと大きくは変わらないと考えています。一方で、市場規模や車両の価値評価や価格の決定メカニズムは国によって大きく異なるため、そこはハードルになると想定しています。すでに近い領域で事業を展開している海外のスタートアップも存在しており、そうした事例も参考にしながら、クリアできれば大きな可能性がある領域だと捉えています。

ーー 採用や組織づくりについては、どのような方針をお持ちですか。

繰り返し行うようなオペレーションや審査についてはAI化を進めており、人員をむやみに増やす方針は取っていません。一方で、ディーラーの加盟店とのコミュニケーションは、AIには代替できない領域のため、カスタマーサクセスや営業のポジションを中心に採用を進めています。事業をスケールさせるうえで、この部分こそが人の力を要する重要なポイントだと捉えています。

ーー 最後に、読者となるスタートアップ経営者やCFO、また入社を検討される方々へメッセージをお願いします。

カスタマーサクセスや営業ポジションといった事業推進を担うポジションに加え、私たちのチームには、ファイナンス領域を強く牽引してきた人材がまだ不足しています。テックや業界知見についてはすでに強いチームができており、そこにファイナンスの知見が加われば、より強いチームになると思います。興味を持っていただける方は、ぜひお声がけください。

ーー本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

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