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ベンチャーデットのFlexCapitalを深堀り!(#起業のデットファイナンス )

年間500名以上の起業家から資金調達の相談を受けるINQの若林さんが運営する番組「起業のデットファイナンス」に代表の安部が出演しました。

今回は2025年1月28日に「起業のデットファイナンス」で配信された『ベンチャーデットのFlexCapitalを深堀り!』について記事化しましたので、ご覧ください。

目次

概要

■ 『ベンチャーデットのFlexCapitalを深堀り!』( #起業のデットファイナンス )

実際の配信コンテンツは以下よりご確認ください。

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■ 出演者

  • 若林哲平さん(株式会社INQ ⁠代表取締役)
  • デットファイナンスのハンズオン支援を中心に、様々な領域のスタートアップの資金調達を支援。累計1,200件87億円超の資金調達を支援するチームを統括。
  • https://my.prairie.cards/u/wakaba
  • 安部匠悟(株式会社Fivot代表取締役)
  • 一橋大学経済学部を卒業後、メリルリンチ日本証券(現BofA証券)の投資銀行部門にて、金融法人グループを担当し、銀行・保険会社向けのM&A助言および引受業務に従事。新しい金融を創るという想いから、2019年10月に株式会社Fivotを設立し、代表取締役に就任。

Flex Capitalの特徴とは?

INQ若林さん:

前回、ベンチャーデットが今なぜ日本のスタートアップ企業にとって必要な存在になっているのかということをお話しいただきました。今回はFivotのベンチャーデットサービスであるFlex Capitalについて詳しく伺っていきます。創業の経緯にも紐づいてくると思いますが、Flex Capitalのコンセプトについて教えてください。

安部:

コンセプトはシンプルにいうと「すごく深いリスクを、すごく早く取る」というものです。スタートアップ企業はどうしても赤字の期間があったり、将来的なアップサイドを取るために多くの人材を採用することから、直近の財務状況が苦しいというケースがあります。Flex Capitalではそういった「リスクが高い・深い」ところを見極め、いかに早くお金が出せるかということにこだわって運営しています。ただ、それを勘でやりますというものでは意味がないと思いますので、エンジニアリングの力を使い、大量のデータをなるべくリアルタイムに収集することで、深いリスクをしっかり機動的に取ることができるようにするということがFlex Capitalのコンセプトです。

INQ若林さん:

深いリスクを取るということは、本来であれば丁寧に精査すべきことであり、まさに銀行が培ってこられた領域であると思っています。データという観点でもう少し具体的に教えてください。

安部:

Flex Capitalではより細かい粒度で、その会社の状態が1ヶ月、数週間、数日の単位でどのように変化しているかを捉えられるデータを取得し、それに基づきスタートアップ企業の将来性や事業性を判断しています。

具体的には1年に一度しか作成されない決算書だけではなく、月次推移表や仕訳帳のデータ、銀行口座の取引データといったこれまでの金融機関では必ずしも取り切れないデータもすべて日次でAPIを連携でデータを取得しています。これだけのものになるとデータ量が多大になるため、人が見るということは現実的ではなく、いかに機械に整理してもらうかということが重要になってきます。ただ、機械だけでは判定できないものが残るため、その部分は人がフォーカスをして最終判断をするというコンセプトとなっています。

また、大量のデータ取得できることで、サービスの継続率や解約率とかARPU(顧客単価)やCPA(顧客獲得コスト)、LTV(顧客生涯価値)など、スタートアップ企業の事業性を判断する上で必要とされる指標値を細かくすべて計算ができます。このような、よりスタートアップ企業の実態を表すKPIを計算して評価に使用しています。

INQ若林さん:

細かい大量のデータを取得すること、それを機械に整理・判定してもらいつつ、最終的には人が審査し判断するというところがまさにFlex Capitalのコンセプトとしてあるということですね。具体的にFlex Capitalの商品にはどのような種類のものがあるか教えてください。

安部:

事業が拡大するに連れて、スタートアップ企業にもさまざまな資金ニーズの種類があることを把握し、少しずつ商品を拡充し、現状は3つの商品を展開しています。一つ目がレベニューベースドファイナンスと呼ばれるRBFと略されるものです。これが一番最初に弊社がスタートアップ企業向けに提供し始めた商品になります。二つ目がベンチャーデットと呼んでいる、いわゆる銀行のローンと近い商品になります。三つ目が「Invoice(インボイス)」と呼んでいる請求書の立替払いサービスです。

RBF(レベニューベースドファイナンス)とは?

INQ若林さん:

今回いただいた3つの商品についてより詳しく伺います。まずはRBF(レベニューベースドファイナンス)とはどのような商品でしょうか。

安部:

特に創業から時間が経ってないシードからアーリーステージのスタートアップ企業向けの商品となっています。これは直訳すると売上に基づいたファイナンスということになり、将来この会社が立てるであろう売上を予測をして、予測した売上の一部を先に買い取りさせていただき、今、現金化するという商品になっています。

将来の売上について予測することはそもそも難しいものですが、細かいデータを取得することで、どのような取引先から継続的に売上が発生しているのかなどを見ていくことができます。これをベースに審査させていただき、現金化できる部分を決定します。ファクタリングとなると、既に売上が確定しているもののみの取り扱いとなり、どうしても金額も期間も限定的になってしまいます。一方で、RBFは将来を見通すことができるため、より長期的な目線でどのようにファイナンスを付けていくのかを計画立てやすい商品になっています。

また、業種業態について制限はありません。基本的にはサブスクやSaasのようなリカーリングの売上がある方が相性は良いものですが、そうでなくても、多くの会社は取引を一度開始すると、一定複数回は取引をされることが多いと思います。従って、リカーリング契約のようなSaasモデルでなくても、実績としてリピートされるような継続的な取引が行われていれば、そこは評価ができるものとなります。

INQ若林さん:

RBFについて、買い取れる期間やパーセンテージなどについて教えてください。

安部:

基本的には1年以内の将来の売上を買い取りさせていただいます。範囲としてはARRの30%がおおよその目安になってくると思います。よって、年商と同じ規模や大きめの金額での実行については対応が難しいものとなります。

INQ若林さん:

銀行融資となると前期年商の4分の1と言われることが多いと思いますが、RBFの場合あくまでも将来予測の3分の1となると伸びてるスタートアップ企業であれば、とてもありがたい商品と思います。

ベンチャーデットとは?

INQ若林さん:

続きまして、二つ目のベンチャーデットについて教えてください。

安部:

Flex Capitalのベンチャーデットはシンプルなものとなっており、新株予約権などを付けてない、純粋なローンとなります。一般的にローンと言って想像するものと同じで、お金を借りて返すというものです。Flex Capitalの特徴としては、ベンチャーデットはRBFと同じようにスタートアップ企業向けとなりますが、RBFを提供しているお客様よりも少しステージが進んでいるお客様にご案内させていただくことが多い商品となっています。具体的には、シリーズAの手前からシリーズA以降くらいのお客様に対してご提供していることが多く、期間についてもベンチャーデットは最長で期間3年まで提供することが可能です。加えて、融資金額も先ほどのような制限もなく、1社に対して3億円まで融資実行可能としており、最大3年3億円と、比較的大きな金額を長くご利用いただける商品になります。

INQ若林さん:

RBFとなると、創業間もない会社でも可能という話がありましたが、ベンチャーデットの場合、どのくらいの売上で相談が可能でしょうか?

安部:

Flex Capitalの場合、さまざまなデータを使い審査モデルを動かすため、6ヶ月以上の売上の実績があるお客様に対応しています。まだ創業手前の場合やプロダクトをまだ開発中で売上が立ってない状態となると対応が難しいものとなります。

INQ若林さん:

創業融資やエクイティファイナンスを活用し、プロダクトを作り、売上が立ち始め、半年以上継続してくると、Flex Capitalに投入できるデータがあり、審査ができるということですね。RBFで調達できたあとにベンチャーデットでも相談できるというイメージでしょうか。

安部:

実際に弊社のお客様の中には、最初はRBFで短期でのご支援をさせていただいた後、継続して成長を続けられ、その後ベンチャーデットに切り替えて、より長期で大きな金額でご支援をさせていただいた例はあります。Flex Capitalとして、お客様のステージに合わせて、必要なタイミングで必要な金額、期間の商品を提供していければと思います。

INQ若林さん:

RBFとベンチャーデットそれぞれ審査において、見るポイントは近いものですか、それとも別のものがあるのでしょうか?

安部:

RBFの方が将来の売上を予測し、それを買い取る性質上、より売上の質にフォーカスが当たります。例えば、売上の分散度合い、継続性、ボラティリティなどをより強く見る傾向があります。基本的に見るべきポイントの重みが違うということではありますが、見てる指標自体はそこまで変わらないものとなり、評価の基準についてもおおよそ同じと思っていただいても構いません。

請求書の立替払いInvoice(インボイス)とは?

INQ若林さん:

ありがとうございます。最後に、最近リニューアルという形で新たにリリースされた請求書の立替払い「Invoice」について教えてください。

安部:

Invoiceは、企業が支払う請求書をFlex Capitalが立替えて、お支払いをさせていただき、立替代金を4回に分けて後払いしていただく商品となります。これは企業版BNPL(Buy Now Pay Later)という方もいらっしゃるのですが、弊社では立替払いと言ってます。

例えば、広告宣伝費や仕入れ、業務委託費用、サーバー費用など、さまざまな請求書があると思います。その中で一時的に大きな金額の請求書が発生すると、足許の資金繰りを圧迫してしまいます。そういった際に、その請求書を弊社に送っていただき、まずは弊社が立替払いを実施し、後から4分割でお支払いいただく形とすることで資金繰りを滑らかにできるところが特徴になっています。また、このInvoiceの分割払い機能を活用いただくことで、例えば、ボリュームディスカウントが効くようなものについて、通常よりも多めに発注をすることでコストを抑制するということも可能になります。

INQ若林さん:

例えば仕入れのボリュームディスカウントの場合、200万円分のロットとなると原価率が50%となるが、400万円分を一度に仕入れると、原価率が40%になるというイメージですね。Invoiceの活用については、季節変動がある業種やインバウンド系、また、弊社もまさにそうですが、人材採用時のエージェントへの成功報酬の支払いなどに利用が可能であると思います。

安部:

ご認識の通りです。直近の例ですと、クリスマス商戦に向けて多くの商品を作らないといけない中小企業様など、特定のタイミングで特定の支払いが多く集中する場合において、催事に出店する費用や仕入れ、広告宣伝費のような先出しででていくものを後払いにできるという観点において、資金繰りに対してはプラスの効果があると思っています。

INQ若林さん:

Invoiceに関しては、さまざまな業種の企業が利用できると思いますが、いかがですか。

安部:

Invoiceという商品は、RBFやベンチャーデットと少し性格が違っており、スタートアップ企業以外の一般の中小企業の皆さまにもご利用いただいています。Flex Capitalとしてスタートアップ企業向けの融資で培ってきた、データに基づく網目の細かいスピーディな審査を、スタートアップ企業以外の領域にも広げていこうというねらいもあり、Invoiceという商品でより幅広い資金ニーズに応えています。

INQ若林さん:

ありがとうございました。

最後に

INQ若林さん:

今回はFlex Capitalのコンセプトと個別の商品であるRBF、ベンチャーデット、Invoiceについてお伺いしました。次回はどのような企業がFlex Capitalを活用すると良いのか、手応えを得られるのかというところを伺いたいと思います。

最後に、Fivotからのお知らせをお願いします。

安部:

ありがとうございます!
細かく取得した企業のデータを活用して、その企業の実態を把握し、事業性を評価する審査の人材を募集しています。とてもエキサイティングで面白いポジションであると思っていますので、ご興味ある方はぜひ応募ください。また、審査をデータ側から支える機械学習やデータを活用した与信モデルの構築などを担っていただくデータエンジニアについても募集していますので、スタートアップ企業を応援していきたい、データに基づいてエンジニアリングをすることにご興味があればぜひご応募ください。

最後にスタートアップ企業の皆さま向けに迅速かつ柔軟な資金調達手段を提供しています。オンラインで簡単にお申し込みいただけますので、Flex Capitalからこれぐらい借りれるということが分かっていただくだけでも価値になると思いますので、少しでも資金ニーズがある企業様はお気軽にお問い合わせください。

INQ若林さん:

本日はありがとうございました!次回のエピソードもどうぞお楽しみにしてください!

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