TOP ご利用事例 TimeTree|共有カレンダーから“未来が届く”プラットフォームへ。攻めの投資を支えたFlex Capitalのベンチャーデット

TimeTree|共有カレンダーから“未来が届く”プラットフォームへ。攻めの投資を支えたFlex Capitalのベンチャーデット

株式会社TimeTree 様
グローバルに7,000万ユーザーを持つ共有カレンダーアプリ「TimeTree」。家族から友人、カップル、現場ワーカーまで、あらゆるコミュニティの予定を支える同社は、AI活用とグローバル展開を軸に次の成長曲線へ進もうとしています。
多国籍の投資家が参画したシリーズFエクイティラウンドは、投資家の多様化により、意思決定プロセスやデューデリジェンスが複雑化し、交渉が長期化する展開に――クロージング時期が読みづらい中でも、TimeTreeはいかにしてマーケティングやAIといった成長投資を止めない決断をできたのか。エクイティ調達完了までの資金ギャップを埋める手段としてのFlex Capitalの活用など、代表取締役CEO深川さん、CFO髙木さんに、事業戦略・資本政策とそれを踏まえたデットファイナンス活用の実態を伺いました。

目次

TimeTreeの事業概要とミッション

ーーTimeTreeはどのようなサービスですか。

深川:

TimeTreeは、家族やパートナー、友人グループ、同僚といった複数人で予定を共有できるカレンダーアプリです。

スマートフォンアプリとして提供しており、現在の登録ユーザー数は世界で7,000万人にのぼります。ユーザーの構成としては、日本と海外がほぼ半々で、アジア・欧米を中心に多様な国と地域で活用されています。

予定の閲覧や編集が直感的にできる操作性、通知やコメントなどを通じて「予定を共有するだけで自然とコミュニケーションが生まれる」設計が評価され、単なるスケジュール管理ツールにとどまらず、人と人がつながる日常の基盤として利用されている点が特徴です。

TimeTreeは、家族の予定共有、カップルのデート調整、友人同士のイベント計画、仕事現場でのシフト管理など、生活・仕事のさまざまなシーンにおいて“なくてはならないアプリ”となりつつあります。

ーーミッションとして掲げているものは何ですか。

深川:

私たちは、「人が納得のいく時間選択ができるよう、誘おうを作る をミッションに掲げています」です。

現代の生活は仕事・家庭・プライベートが重なり合い、情報量も非常に多く、誰にとっても時間は簡単に失われてしまいます。そんな中で、“時間をどう選ぶか” は人生に直結する大きなテーマだと私たちは考えています。

本来、人は誰かに誘われたり、誰かを誘ったりしながら未来の行動を決めていきます。

その“誘い”をスムーズにし、前向きな選択ができるよう支えるのがTimeTreeの役割です。

単に予定を記録する場所ではなく、「未来の選択肢が広がり、自分の時間を肯定的に選べるようになる道具」として、ユーザーの生活に寄り添う存在でありたいと考えています。

  • 深川 泰斗| 代表取締役社長 / 最高経営責任者 CEO
  • 九州大学大学院で社会学・文化人類学を学び、2006年にヤフー株式会社へ入社。ソーシャル・コミュニケーションサービスの企画を担当。2012年にヤフーからカカオジャパンへ出向後、2014年に株式会社JUBILEE WORKS(現 株式会社TimeTree)を共同設立。2015年3月にカレンダーシェアアプリ「TimeTree」をリリース。

 

  • 髙木 伸浩 | CFO /最高財務責任者
  • 2007年にあずさ監査法人(現有限責任 あずさ監査法人)に入所し、上場企業の財務諸表監査や、IPO支援などに携わる。その後、有限責任 あずさ監査法人マネジャーを経て、国内スタートアップ企業にて海外市場への上場を果たしたのち、2025年にTimeTreeに入社。CFOとして、現在は資金調達業務、経営管理業務等を管掌。

ユーザー層と利用シーンの広がり

ーー主なユーザー層はどこにありますか。

深川:

TimeTreeは、リリース当初から特定のターゲットに利用を限定する設計はしていませんでした。LINEのような“フロー型”のコミュニケーションが存在する一方で、予定や約束といった“ストック型”の情報を整理し共有する仕組みはまだ十分ではないと考え、この領域を担うプロダクトとして開発したことが背景にあります。

その結果、TimeTreeは生活・仕事の様々なシーンで自然に利用されるようになり、現在では非常に多様なユーザー層に支持されています。「誰でも直感的に使えること」を徹底し、共有のハードルを極限まで下げてきたことが、この幅広い浸透につながっていると考えています。

ーーユースケースに国ごとの違いはありますか。

深川:

国ごとに文化や生活スタイルが異なるため、TimeTreeの利用シーンにも一定の違いがあります。例えば、韓国ではカップルの利用が非常に多く、毎日の予定やデートプランを細かく共有するスタイルが一般的です。一方、アメリカでは大学生や若年層の友人グループが中心で、サークル活動や授業、イベントの管理に活用されています。

ただし、このような違いがある一方で、TimeTreeの基本コンセプトである「複数人で予定を共有することでコミュニケーションを生む」という本質は世界共通です。文化によって使われ方が変わっても、プロダクトの価値が普遍的に伝わっている点は、サービスの大きな強みだと感じています。

競争優位性とプロダクトのコア価値

ーーTimeTreeが支持される理由は何でしょうか。

深川:

TimeTreeの最も大きな強みは、「誰でも簡単に共有できる」という点にあります。予定共有という行為は一見シンプルに見えますが、実際には意外とハードルが高く、Googleカレンダーのように設定や操作が複雑だと、家族やパートナー、同僚など、日常的に使う全員が同じレベルで使いこなすことが難しいという課題があります。

私たちは、この「共有の難しさ」こそが予定管理の根本的なボトルネックだと捉え、誰でも迷わず使える直感的な操作と、共有した瞬間にコミュニケーションが成立する設計を徹底的に追求してきました。

TimeTreeでは、予定を入力するだけで相手に自然と伝わり、コメントやリアクションを通じて会話が生まれます。つまり、予定管理が“情報を置くだけの行為”ではなく、“相手との関係性をつなぐ行為”に変わるのです。

こうした「共有がストレスなく成立し、予定がコミュニケーションに変わる体験」は他のカレンダーアプリにはない価値であり、家族・カップル・友人・仕事仲間など幅広い利用シーンでTimeTreeが支持されている大きな理由だと思います。

収益モデルとプラットフォーム化の進展

ーー 事業の収益源について教えてください。

深川:

TimeTreeの収益構造は大きく分けて広告プレミアム課金の二つで成り立っています。

その中でも主軸となっているのは広告事業で、カレンダーという日常行動に密接したデータ特性を活かし、ユーザーの文脈に合った広告を提供できる点が強みです。一方のプレミアム課金は、広告を非表示にしたいユーザーに対して“選択肢として”提供しているもので、課金を大きく伸ばす方向性ではなく、ユーザー体験を損なわないためのオプション的な位置づけです。「広告を見るか、見ないか」「通知をどう受け取るか」といった、ユーザーごとの好みに応じた柔軟性を確保する役割を果たしています。

広告を事業の中心に据えつつも、ユーザー体験とのバランスを丁寧に取り続けてきた点は、TimeTreeが長期にわたりユーザーに支持されている理由の一つだと考えています。

ーー 最近注力している取り組みはありますか。

深川:

直近では、TimeTreeを単なるスケジュール共有アプリから、「生活者と発信者の接点が生まれるプラットフォーム」へと進化させる取り組みに力を入れています。その象徴が、企業やアーティストがイベント情報をTimeTree上で発信できる「公開カレンダー」です。

すでにいくつか大きな動きが生まれており、例えば、楽天が自社セール情報をTimeTree内で公開したり、アイドルグループ約1,000組がライブ予定を発信していたりします。また、公開カレンダーごとに提供できる「公開カレンダー ウィジェット機能」では、アーティストがスマホのホーム画面という“ファンの日常に近いタッチポイント”で情報提供を行う仕組みを構築しており、新しい情報流通の形が生まれています。

これまで予定管理はクローズドな利用が中心でしたが、今後はセール、コンサート、スポーツイベント、選挙など、パブリックなイベント情報もTimeTree上で自然に見つかり、予定に組み込まれていく世界観を描いています。

「予定が見つかる」「行動が生まれる」「生活者と企業・アーティストがつながる」

こうした一連の体験をTimeTreeというカレンダーの中で完結させることで、より豊かなプラットフォームへ進化させていきたいと考えています。

成長戦略──マーケティング、グローバル、AI

ーー今後の成長に向けて、特に注力している領域について教えてください。

深川:

現在、TimeTreeが成長戦略として特に注力しているのは、マーケティング、グローバル展開、そしてAI活用の三つです。

これまでTimeTreeは、プロダクトそのものの力でユーザーを獲得し、国内外で自然に成長してきました。一方で、事業が次のフェーズに進むにあたり、「価値をどう伝えるか」「どの市場で伸ばすか」「その体験をどう進化させるか」を、より意識的に設計することが重要になっています。

マーケティングは、進化したTimeTreeの価値を改めて市場に届けるため。グローバルは、すでに芽が出ている海外利用を、事業として本格的に伸ばしていくため。AIは、カレンダーという“未来の行動が集まる場所”を、次の体験へと進化させるための中核的なテーマです。

この三つはそれぞれ独立した取り組みではなく、互いに連動しながら、TimeTreeの次の成長曲線を形づくる重要な要素だと考えています。

マーケティングの強化

ーーマーケティング施策を強化する背景について教えてください。

深川:

TimeTreeはリリース直後から口コミ的に広がっていきましたが、2019年から2020年にかけて行ったテレビCMをきっかけに「家族向けアプリ」という認知が強く浸透しました。これは非常に大きな成果でしたが、同時に「家族向けアプリ」というイメージのみが強まり、多様なシーンで利用できるプロダクトの実態との間にズレが生じてきた面もあります。

その後、TimeTreeは単なる共有カレンダーにとどまらず、イベント発見機能の追加や、AIを活用した予定管理の負荷軽減・提案機能など、新しい価値を統合した「より広いユーザーベースに向けたサービス」へと進化してきました。

こうした進化を改めて市場に伝え、「今のTimeTreeは、家族だけではなく、より幅広い生活者の“時間選択”を支える存在である」という新しい認知を獲得するために、マーケティング投資を再度強化する方針を取っています。単発の広告ではなく、中長期でブランドの再構築を行うフェーズに入っていると捉えています。

グローバル展開の本格化

ーー海外展開はどのように進めていますか。

深川:

海外ユーザーはこれまで大きなマーケティング投資をしていないにもかかわらず、プロダクトそのものの価値で自然に伸びてきました。アメリカ、韓国、ドイツ、台湾など、それぞれの文化に合わせて自発的に利用が広がっていった点は、私たちにとっても大きな学びでした。

とはいえ、自然成長だけでは限界があります。そこで2025年からは、韓国に拠点(TimeTree Korea)を設立し、現地ユーザーのインサイト調査、広告営業、マーケティング施策の実行、ローカルパートナーとの連携といった活動を本格的に進めています。

まずは韓国でモデルケースを作り、その成功パターンをもとに他地域へ展開していく構想です。これにより、プロダクト改善だけではなく、事業としての海外成長を大きく加速させていきたいと考えています。

AI活用強化を目論んだSKテレコムとの協業

ーーSKテレコムと資本業務提携した理由について教えてください。

深川:

カレンダーは、人の未来の行動が自然に集まる場所です。そのため、AIとの相性が非常に良いと以前から考えていました。AIがユーザーに代わって情報を収集し、予定を提案し、調整し、実行までサポートできるようになれば、TimeTreeは従来の「記入する場所」から「未来が届く場所」へと進化できると感じています。

こうした構想を実現するうえで、SKテレコムは最適なパートナーでした。SKテレコムは通信事業者でありながら、

  • AnthropicをはじめとするAI関連領域への大規模投資
  • 数百名規模のAIエージェント開発チーム
  • 海外通信キャリアとの強固なアライアンス網

を持つ、アジア有数のAI先端企業です。

私たちは、自前の開発だけでは時間がかかる領域を、SKテレコムの技術・知見を取り入れることで一気に加速したいと考えました。TimeTreeのプロダクト進化と事業拡大において、AIは不可欠な要素であり、SKテレコムとの協業はその前進を大きく後押しするものだと考えています。

シリーズFの背景について

ーー今回のエクイティ調達(約16億円)はどのような狙いがあったのでしょうか。

深川:

今回のシリーズFは、TimeTreeが次の成長ステージへ進むための「攻めの投資」を実現するラウンドでした。

具体的には、

  • 進化したTimeTreeの価値を再定義し市場に伝えていくためのマーケティング強化
  • AI技術をプロダクトへ本格的に組み込み、未来が届くカレンダーを具現化するための開発投資

という二つの領域を重点的に強化する狙いがありました。

特にAI領域は、TimeTreeが中長期的に競争優位を築くうえで不可欠なテーマです。

SKテレコムとの資本業務提携によって技術面の後押しが得られた今、ここでしっかりと資金を投じて加速する必要がありました。つまり、本ラウンドは、単に資金ショートを防ぐためではなく、事業を次の段階へステップアップさせるための前向きな投資ラウンドとして位置づけていました。

ーー同時にセカンダリー取引(約16億円)を実施した意図を教えてください。

髙木:

セカンダリーを実施した背景には、初期投資家への適切なリターン還元という重要な目的がありました。

TimeTreeは創業から12年が経ち、初期に投資いただいたVCの多くがファンドの満期を迎えるタイミングに差し掛かっていました。スタートアップが成長していく過程では、初期に投資いただいた投資家が次のステージへ進むために、適切なリターンを還元する必要があります。

また私自身かねてから、「日本のスタートアップエコシステムでは、セカンダリー取引がもっと積極的に行われるべき」だと強く感じていました。

海外、特にアメリカではセカンダリー取引は一般的で、初期投資家・創業メンバー・従業員の三者が健全に報われる仕組みが整備されています。日本でも、こうした流れをつくる必要があると考えていました。

今回のタイミングで、初期投資家のファンド期限、事業の成長フェーズ、新たな出資者との調整など複数の要因がうまく重なったことで、私たちはセカンダリー取引を実施することが適切だと判断しました。

結果として、初期VCへのリターン確保と、会社としての株主構成の整理の両方を実現することができたと思います。

調達プロセスでの課題とランウェイの状況

ーー調達プロセスにおいて特に難しかった点はどこにありましたか。

髙木:

今回のシリーズFでは、複数の国の投資家が参加する多国籍ラウンドだったため、それぞれの国ごとに異なる投資基準や法規制、デューデリジェンスの深さ、意思決定プロセスなどがあり、その調整が非常に難しい点でした。

スタートアップは成長ステージが後ろになるにつれ、投資家が求めるKPI水準の厳格化、コンプライアンス項目の増加、契約条件の精緻化、クロスボーダー特有の法務・会計論点といった要素が重なり、一つの方向性にまとめるための負荷が飛躍的に高くなるのが実情です。今回のシリーズFならではの大きなチャレンジだったと感じています。

ーーランウェイはどのような状況でしたか。

髙木:

調達活動と同時並行で、マーケティングや新機能の仕込みといった成長投資を積極的に進めていたため、手元資金の余裕はあまりないという状況でした。

もちろん、投資を止めればすぐに黒字化できる構造ではありました。しかし、事業を一段上に押し上げるためには、まさにこのタイミングでマーケティングやAI領域への投資を止めるわけにはいきませんでした。

つまり、「攻めの投資は続けたいが、調達プロセスは長期化する」という難しいバランスの中にありました。このような状況では、手元資金が薄くなるほど事業判断が保守的になってしまいます。長期的な成長機会を逃さないためにも、エクイティ調達が完了するまでの“つなぎ資金”を適切に確保する必要が高まっていたのが実情です。

そんな中、Flex Capitalのベンチャーデットは事業の進行を止めないための非常に重要な役割を果たしました。

Flex Capitalのベンチャーデットを選んだ理由

ーーFlex Capitalのベンチャーデットを選んだ理由を教えてください。

髙木:

Flex Capitalを選んだ最大の理由は、審査スピードの圧倒的な速さと、必要資料がスタートアップの実態に即して最小限に整理されていたことです。

シリーズFの調達が長期化する中で、私たちは「事業成長のための投資を止めずに、手元資金を安定させる」必要がありました。しかし、こうしたタイミングで一般的な金融機関へ相談すると、ほぼ例外なく「エクイティ調達が完了した後なら貸せます」という回答になります。

これは銀行サイドのロジックとしては正しいのですが、スタートアップが最も資金を必要とするのは“調達の前”であり、次の成長のためにまさに資金を投じているフェーズです。このフェーズで銀行融資が活用できないことは、日本のスタートアップ環境における大きなギャップだと以前から感じていました。

一方、海外、特にアメリカでは、エクイティラウンドの前後に短期で資金をつなぐ「つなぎ融資」が一般化しており、これがスタートアップの成長投資を支える重要な仕組みとして機能しています。

日本ではこのつなぎ融資がほとんど確立されていない中で、Flex Capitalはまさにその役割を担う存在でした。

  • 審査の迅速さ
  • 必要資料の適切さ
  • スタートアップの資金ニーズを深く理解した設計

これらが揃っていたことで、エクイティ調達の狭間を安心して乗り切ることができました。

TimeTreeが成長投資を止めずに前へ進むために、Flex Capitalのデットは非常に大きな意味を持っていました。

利用して感じた価値と今後の改善点

ーー 実際にFlex Capitalを利用して感じた価値を教えてください。

髙木:

利用して最も強く感じた価値は、スタートアップが必要とする資金の性質を理解した仕組みづくりが徹底されていた点です。

調達プロセスが長期化し、事業としても成長投資を続けているタイミングでは、わずかな遅れが大きな事業インパクトにつながります。その中で、Flex Capitalのように迅速に、必要最低限の資料で判断してくれる存在は本当にありがたいものでした。

また、一般的な金融機関では“形式”や“過去の実績”を重視する傾向がありますが、Flex Capitalは将来のキャッシュフローや事業の実体を重視してくれていることが伝わり、こちらの状況を本質的に理解したうえで向き合ってもらえる感覚がありました。

特に今回のように、エクイティ調達のクロージング時期が後ろ倒しになりやすいフェーズでは、「必要なタイミングで、必要な金額を、必要なスピードで提供してくれる」という点が何よりも価値のあるものでした。

ーー今後、Flex Capitalに改善してほしい点はありますか。

髙木:

大きな満足感を持っていますが、あえて挙げるとすれば、もう一段階大きな金額を扱えるようになると、より幅広いケースで活用しやすくなるという点です。

シリーズFなどシリーズを重ねる成長局面に入ると、投資規模も大きくなり、マーケティング、AI開発、海外展開など、一つ一つの施策における必要資金が大きくなります。その中で、数億円台のつなぎ資金の需要はますます高まると思います。

エクイティとデットの使い分け

ーー エクイティとデットをどのように使い分けていますか。

深川:

私たちは、エクイティとデットを“資金を得るための手段”としてだけではなく、事業を前に進めるための選択肢として捉えています。

エクイティは単なる資金調達ではなく、「事業を一緒に大きくするパートナーを迎え入れる行為」だと考えています。

投資家とともに中長期の戦略を描き、経営判断の精度を高めていくためにエクイティは欠かせません。ただし、それは“迎え入れる意義がある場合”に選ぶべきで、希薄化を伴うエクイティ調達が最適でない場面も確実に存在します。

一方で、デットは事業が健全に回っている中で、エクイティ調達のタイミングが早すぎる、エクイティの条件がフィットしない、成長投資を止めたくないが、資本政策上エクイティを入れにくいといったケースにおいて、非常に柔軟に活用できる武器です。

特に今回のように、「成長投資は続けたい。しかし、エクイティ調達のクロージングタイミングが読みにくい」という状況にあっては、デットがあることで意思決定の自由度を保つことができます。

私たちは、エクイティとデットのどちらかが優れているという発想は持っていません。重要なのは、その時の経営判断に最もフィットする選択肢を柔軟に採ることだと考えています。

今後実現したいTimeTreeの未来

ーーTimeTreeとして、今後どのような未来を実現していきたいと考えていますか。

深川:

TimeTreeはこれまで、「予定を共有する場所」として多くのユーザーに利用されてきました。しかし私たちが目指しているのは、さらにその先の未来です。

2026年1月26日には、イベント発見機能を軸とした大規模なプロダクトリニューアルを実施しており、そこでは今後、AIがユーザーに代わって未来の選択肢を届ける体験を実現しようとしています。

ただ予定を書き込むのではなく、行きたいイベントを提案してくれる、最適な日程を提示してくれる、調整や予約までサポートしてくれるといった「未来の行動を自然に後押ししてくれる存在」へ進化させていきます。

私たちが長期的に目指しているのは、「TimeTreeがなかった頃を思い出せない」と言われるような、生活に溶け込んだインフラになることです。単なる機能追加ではなく、ユーザーの時間体験そのものを豊かにするプロダクトをつくり続けていきたいと考えています。

ーー本日はありがとうございました。

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