TOP ご利用事例 ECのユーザー体験を底上げする「LEEEP」──REGALIがデットを武器に選んだ資金戦略

ECのユーザー体験を底上げする「LEEEP」──REGALIがデットを武器に選んだ資金戦略

株式会社REGALI 様
EC市場は市場の拡大とともに、顧客体験をいかに高度化するかが企業の競争力を左右しています。株式会社REGALIが提供する「LEEEP(リープ)」は、UGC(User Generated Content。ユーザー生成コンテンツ)・レビュー・スタッフコーディネートなど、EC運営に必要な機能を一元化するSaaSとして、リリースから着実に導入社数を伸ばしてきたサービスです。
事業の伸長に伴い、同社が重視してきたのがエクイティとデットを適切に組み合わせる資本戦略。ショッパブルSNS事業からのピボット直後、資金繰りが逼迫するなかで出会ったのが、Flex CapitalのRBF(Revenue Based Financing)。以降、複数回にわたりデット調達を実施し、銀行融資と併用しながら事業投資のスピードを維持してきました。
スタートアップが成長局面で直面しやすい「資金繰りと投資余力のジレンマ」を、REGALIはどのように乗り越えてきたのか。事業構築の裏側からデット活用の実態、そして中長期の展望まで、代表の稲田さんにお伺いしました。

目次

事業概要──UGCを起点に「購買体験」を最適化するEC特化SaaS

ECサイトの購買行動を可視化し、意思決定を支援するプロダクトへ進化

ーー まず、REGALIの事業概要と現在のフェーズについて教えてください。

私たちは『LEEEP(リープ)』というSaaSを提供しています。これは、ECサイトにおけるUGC、レビュー、スタッフの着用コーディネート、動画など、購入前の意思決定を左右するさまざまな情報を一元管理し、最適な形でサイトに表示できるプロダクトです。

リリース当初は「UGCをECサイトに掲載できる」というシンプルな機能からスタートしました。しかし、導入企業の課題を丁寧にヒアリングしていく中で、機能を大きく拡張し、今ではUGC自動収集・管理、レビューの取得・表示、スタッフ投稿(コーディネート)管理、写真・動画コンテンツの統合管理、表示コンポーネントの最適化、パーソナライズされたレコメンドといった「EC事業者が売上を伸ばすうえで必要な購買体験の最適化」が、ほぼ単一のプラットフォームで完結する状態になっています。

2021年11月の正式リリース以降、導入社数は順調に増加しており、現在はプロダクトとしての立ち上げ段階を終えて、さらなる機能拡張と獲得市場拡大に取り組むフェーズに入っています。

主力はEC、次のプロダクトではホリゾンタル展開も視野に

ーー 顧客はやはりEC事業者が中心なのでしょうか。

そうですね。現時点では、アパレルやD2CブランドなどEC事業者が中心です。UGCやレビューはECとの相性が非常に良く、LEEEPを導入することで売上改善の効果が比較的分かりやすく表れるため、もっとも価値を感じていただきやすい領域だと考えています。一方で、現在開発している次のプロダクトでは、ECに限らない使われ方も視野に入れています。LEEEPで蓄積してきた「意思決定に必要な情報を整理し、適切な形で提示する」という考え方は、他の産業でも十分に通用すると感じているからです。

今のLEEEPは、EC向けのバーティカルなプロダクトですが、次のプロダクトでは、いわゆるホリゾンタルな形で、業界問わず使っていただけるような設計をしています。

  • 稲田 光一郎 | 株式会社REGALI 代表取締役社長
  • 新卒で株式会社CARTA HOLDINGS(旧株式会社VOYAGE GROUP)に入社。メディア事業部でエンジニアとしての基盤を築いた後、子会社でセールスコンサルタントとして顧客のニーズに基づいた最適なソリューション提案を実施。 2017年に株式会社REGALIを創業し、「Question everything. Create what matters.」というミッションのもと、ECサイトの顧客体験向上プラットフォーム「LEEEP」を提供。創業当初から顧客との商談や採用活動、プロダクトマネジメント業務に携わり、現場に近い立ち位置で企業の売上向上と顧客満足度向上に貢献している。

プロダクト戦略──「LEEEPひとつで完結する」価値をどうつくってきたか

競合の多い領域で、どのように勝ち筋を見つけてきたのか

ーー UGCやレビューの領域は競合も多い印象ですが、そのなかでのポジショニングや強みをどう捉えていますか。

立ち上げ当初は、非常にシンプルな戦略でした。既に市場を作ってくれていた先行プレイヤーがいたので、その学びを最大限に活用しながら、「価格は手に取りやすく、機能は同等以上」という設計で参入しました。スタートアップとしてスピード感を持って戦える領域に絞り込んだ、という感覚です。

現在は価格競争をしているわけではなく、むしろほぼ同水準の価格帯になっています。そのうえで選ばれている理由は、「使いやすさ」と「LEEEPひとつで必要な施策がすべて完結すること」にあると思っています。

EC担当者の方は、本来であれば、UGC管理ツール、レビュー管理ツール、スタッフ投稿やコーディネート管理ツール、動画管理ツールなど複数のツールを行き来する必要があります。

LEEEPはこれらを単一の管理画面(UI)で扱えるので、「LEEEPにログインをすれば、EC運営に必要な素材や施策の管理がすべて見える」という状態がつくれます。この利便性が、乗り換えの意思決定にも大きく影響していると感じています。

 “技術発想”ではなく“顧客要望”から広がってきた機能群

ーー 機能開発はどのようなスタンスで進めてきたのでしょうか。

基本的にすべて「お客さまからの要望ベース」です。動画、スタッフコーディネート、レビューなど大きな機能の追加は、どれもお客さま側から強く求められたものが起点になっています。

逆に、こちら発信で「この技術を使った新しい機能を作りたい」という理由で開発したものは、ほとんどありません。技術ドリブンでプロダクトを作ると、往々にしてお客さまの本質的な課題からズレてしまうと思っていて、最近話題のLLM(大規模言語モデル)なども、“技術が面白いから使う”という順番ではうまくいかないと考えています。

あくまで最初にあるのは「お客さまの困りごと」です。

その課題をどう解決するかを考えた結果として、技術や仕様が後から決まっていく──その積み重ねによって、現在のLEEEPのように多機能でありながら、現場が本当に使い続けられるプロダクトが育ってきたと感じています。

起業の背景とピボット──ショッパブルSNSからLEEEPへ

最初に取り組んだのはショッパブルSNS「PARTE(パルテ)」

ーー 起業のきっかけと、LEEEP誕生までの経緯を教えてください。

会社の始まりは、実は今のLEEEPではなく「PARTE(パルテ)」というショッパブルSNSでした。ZOZOTOWNの「WEAR」のように、ユーザーが投稿したコーディネートから商品購入につながる仕組みをつくっていたのですが、結果として事業を成立させることができませんでした。

当時は、プロダクトとしての価値の出し方や収益モデルの作り込みが十分ではなく、一度しっかり失敗した上で、「このまま同じ方向で続けても成長は難しい」と判断しました。そこから、新しい方向性を模索し始めたのがLEEEPにつながる転機です。

転機となったのは、取引先からの“たった一言”

ーー ピボットのきっかけになった出来事は何だったのでしょうか。

当時の取引先だったアパレル企業さんから、「PARTEで投稿されているコーディネートのデータを、自社ECサイトにも活用できないか?」と相談されたのがきっかけです。

試しにAPIでデータ連携してみたところ、ECサイトのコンバージョン率が大きく改善しました。そこで初めて、「ユーザーのリアルな着用イメージを、ECサイト上で活用するニーズは確実にある」と強い手応えを得ました。

この体験から、インスタグラムなどにあるUGCを自動で収集し、自社ECサイトに掲載できる仕組みをゼロから作り直しました。これが、現在のLEEEPの最初の原型です。

その後は、お客さまの声を一つずつ拾いながら、UGCだけでなくレビュー、スタッフコーディネート、動画など必要とされる機能を順次追加し、今のような「ECの購買体験を一気通貫で支えるプラットフォーム」に発展していきました。

資金調達の難しさとRBFとの出会い

「失敗したあと」にエクイティは調達しにくいという現実

ーー 資金調達では、どのような難しさがありましたか。

エクイティ調達って、基本的には「これから伸びそうだ」という期待を持ってもらえるタイミングでしか成立しにくいんです。特にシード期はその傾向が強くて、一度事業がうまくいかなかったあとに「違う方向で再挑戦します」と言っても、外から見ると「そのピボットは本当に成功するのか?」という疑問のほうが当然先に立ってしまいます。

実際、PARTEからLEEEPへ切り替えるときも、既存株主の方々に最低限のブリッジを入れていただいた程度で、まとまったエクイティ調達はできていませんでした。資本政策の制約もありますし、事業が軌道に乗る前の追加ラウンドは、現実的にはかなりハードルが高かったです。

限られた資金の中で、事業を継続する判断

ーー Flex Capitalにたどり着くまで、どのように資金をつないでいたのでしょうか。

当時は、自己資金も含め、あらゆる手段を検討しながら事業を継続していました。キャッシュに余裕がある状況ではありませんでしたが、短期的な支出を抑えて事業の動きを止めてしまうことよりも、事業を止めないことを優先して判断していました。月々の支払いをどう乗り切るかを考えながら、同時に次の成長につながる選択肢を探していたフェーズだったと思います。

 

RBFとの出会い──「これならいける」と思った資金手段

ーー そのなかで、どのようにRBFという手段を知ったのでしょうか。

売上自体は伸び始めていて、プロダクトの手応えも感じていました。一方でまだギリギリ赤字のフェーズで、ランウェイも決して長い状況ではありませんでした。ここを抜ければ事業をさらに伸ばせる確信はあるのに、資金がない──そんな時期でした。

そうした中で情報を調べていくうちに、RBF(Revenue Based Financing)という海外発の調達手法を知ったんです。売上ベースで返済する仕組みなので、エクイティ調達が難しいフェーズでも利用しやすいと感じました。日本でもちょうどRBF型のモデルが立ち上がり始めていた頃で、「この方法なら可能性がある」と思ったのが検討を始めた最初のきっかけです。

そこで問い合わせたのがFlex Capitalでした。

あのタイミングでFlex Capitalの支援を得られたことが、事業を次の成長フェーズにつなげる大きな転機になったと感じています。

Flex Capitalのデット活用──「デットは引ける分だけ引く」という明確な方針

7回のデット調達。目的は一貫して「成長投資のスピード確保」

ーー これまでのFlex Capitalからの調達状況と、その使い道について教えてください。

Flex Capitalからは、RBFを6回、ベンチャーデットを1回、あわせて7回調達しています。用途はすべて運転資金で、「事業の成長速度を落とさないため」に使ってきました。

細かく見ると、「このタイミングで採用を強化したい」「展示会に出展したい」といった個別の目的はありますが、まとめると 『成長投資を止めないための資金』です。

スタートアップは、攻めなければキャッシュは減りません。ただ、そうすると成長の角度がどうしても鈍くなってしまう。LEEEPは、投資した分だけ売上が着実に伸びていく手応えがあったので、「引けるデットはできるだけ引く」というのが当時からのスタンスでした。

銀行融資との併用で「成長余地と返済可能性」を両立させる

ーー 他の金融機関のデットと、どのように併用されていますか。

みずほ銀行、日本政策金融公庫、商工中金など、複数の金融機関から融資を受けています。たとえばある時期は、みずほ銀行、日本政策金融公庫、商工中金に加えて、Flex Capitalさんの枠を組み合わせて、3〜4か月間で4千万円ほど調達したこともありました。

当時の感覚としては、それでもまだ「攻めきれていない」と感じていて、正直、事業の状況からすると1〜3億円規模でも問題なく投資に回せるという確信がありました。広告・採用・機能開発など、伸びる余地が明確だったからです。

いまのスタイルとしては、決算が締まるたびに金融機関に「この決算なら、いくらまで追加で借入が可能ですか?」と確認しつつ、それとは別にFlex Capitalにも継続的に相談しています。

銀行融資は金利が低く、長期の資金としては非常に重要。一方で、審査・実行までのスピード感や、スタートアップ特有の状況を踏まえると、Flex Capitalのようなベンチャーデットは「機会を逃さないための資金」として機能しているイメージです。

Flex Capitalへの評価と期待

立ち上げ期に感じた“圧倒的なスピード感”

ーー 初回の取引について、印象に残っていることはありますか。

初回は、代表の安部さんと直接お話ししたのですが、とにかくスピードが速かったことを覚えています。相談してから2〜3日以内に金額や条件の提示があり、そのまま契約まで一気に進みました。

今はオペレーションやリスク管理がしっかり整備された分、2週間ほどかかる印象ですが、それでも十分に早いと思っています。単純に、当時が速すぎただけですね(笑)。現在のスピード感にも満足しています。

ーー ありがとうございます。現在は基本的には2週間(10営業日)で審査結果をお伝えする流れで運用しています。

「投資的な融資」を担う稀有な存在

ーー 日本の金融環境の中で、Flex Capitalをどのように見ていますか。

日本では、エクイティ以外の資金調達手段について、スタートアップの成長フェーズに合わせて柔軟に提供するプレイヤーは、まだ限られている印象があります。一般的な金融機関の融資は、安定性や確実性を重視した設計になっていることが多く、成長途上の企業にとっては、必ずしもすべての局面でフィットするとは限りません。

一方で、スタートアップが成長する過程では、「今ここで攻めたい」というタイミングが必ず訪れます。その際に、事業の将来性や成長余地を踏まえた上で資金面から後押しできる存在は、決して多くないのが実情だと感じています。

そういった意味で、Flex Capitalのように、事業の伸びしろを見ながら柔軟に融資を行なってくれる存在は、スタートアップにとって本当に心強いパートナーだと思います。実際、Flex Capitalからの支援を得られたことで、成長投資の選択肢を広げることができ、事業を次のフェーズへ進めるうえで大きな後押しになりました。

サービスへのフィードバック──必要な改善は進み、今は使いやすい

ーー サービスやプロダクト面での率直なフィードバックがあれば教えてください。

やり取り自体はそこまで多くありません。最初に審査資料をまとめて提出して、あとは月次試算表や決算のレポーティングをするくらいなので、その点で困ったことはほぼないです。

以前は、複数の契約が並行して進んでいるときに追加申し込みがしづらかったり、管理画面の情報が分かりにくい部分が正直あったりしました。ただ、今は返済スケジュールが分かりやすく可視化されるなど、必要な改善が順次進んでいて、使い勝手としてはかなり良くなっていると感じています。

細かい点をあげれば、「もう少し金利が安ければ嬉しい」「もう少し枠が大きいと助かる」といった希望はありますが、そこは事業の成長とともに自然と広がっていく部分だと思っています。

今後の展望──SaaSという手段にとらわれず、社会課題を解く事業へ

売上規模は「社会にどれだけ貢献できているか」のひとつの指標

ーー 中長期の事業の展望について教えてください。

日本国内で見ても、SaaS企業の規模にはまだ大きな伸びしろがあると感じています。

ただ、私たちは、「ソフトウェアをつくりたい」と思って事業しているわけではなく、「売上規模や営業利益率の高さ」をゴールに据えているわけでもありません。SaaSはあくまで手段であって、本質的に目指しているのは、「どれだけ多くの課題を解決し、どれだけ社会にインパクトを与えられる会社になれるか」という点です。

その考え方を軸に、現在はLEEEPに加えていくつかの事業の可能性を検討しています。中長期的には、より大きなスケールで事業を展開していく構想を持っています。

事業成長の鍵は「人」──事業成長を支えるチームづくり

ーー その実現に向けて、いまもっとも力を入れているのはどの領域でしょうか。

今は圧倒的に「採用」です。

事業として「何をすべきか」はかなり明確になってきていて、あとは実行に移すだけ、という段階に入っています。ただ、その実行を支えるのは結局「人」ですどれだけ良いメンバーが加わってくれるかが、事業の成長スピードを決めると考えています。

ポジションとしても、現在はほぼすべての領域で採用を進めています。人が足りないがゆえに、取りにいけていない売上機会があると感じる場面も多いので、そこをしっかり埋めていきたいですね。

採用が進めば、事業の伸び方はまだまだ変えられると考えています。ぜひ興味持っていただける方がいましたら、お気軽にご連絡ください。


ーー 本日は大変ありがとうございました。

Grow With Us

30分の無料相談

その他のお問い合わせもこちらからお願いします