成長を止めない柔軟な選択。「ベンチャーデット」が支えた事業の成長

全国のパティスリーや洋菓子ブランドとユーザーをつなぐ、スイーツのオンラインプラットフォーム「Cake.jp」。贈り物やイベント需要に支えられ、オンラインでの注文から配送までを一気通貫で提供する独自のビジネスモデルは、ECだけにとどまらず催事や卸など、リアルな接点を活かした販売にも拡大を続けています。今回は、同社でコーポレート部門を統括する斉藤祐希さんに、事業の変遷や成長を支えたファイナンスの選択について伺いました。
目次
Cake.jp とは
ーー Cake.jp の概要について教えてください。
Cake.jp 斉藤さん(以下、斉藤):
ケーキをはじめとしたスイーツの総合ECサイト「Cake.jp(ケーキジェーピー)」を運営しています。「Cake.jp」では1,700社以上の和洋菓子店による8,000種類以上のラインナップを揃え、200万人を超える会員の皆さまに、誰かにあげたいと本気で思えるスイーツを通じ、日々おいしさと感動をお届けしています。誕生日や記念日のお祝い、家族や友人へのプレゼント等だけでなく、企業の福利厚生やノベルティといったさまざまなシーンでご利用いただいています。
- コーポレート本部長 斉藤 祐希さん
- 公認会計士試験合格後、監査法人トーマツにてIPO支援や会計監査等に従事。2021年にCake.jpへ入社し、経理体制の立ち上げを推進。2022年に経理部長に就任し、決算早期化や、ガバナンス強化に取り組む。2025年2月よりコーポレート本部長として、経理・財務・人事総務・内部監査などコーポレート全般を統括。
「“中に入って創る側へ” キャリアを移す決断」
ーー Cake.jpに入社された背景を教えてください
斉藤:
私はもともと監査法人トーマツで、上場企業やIPO準備企業を中心に監査業務に従事していました。会計や内部統制、IPO支援の観点からクライアント企業の成長をそばで支える仕事にやりがいを感じていた一方で、より深く事業の中に入り込んで、自分の手で会社を創っていくフェーズに関わりたいと感じるようになりました。
前職でのご縁や周囲の紹介をきっかけに、Cake.jpの代表やコーポレート責任者とお話しする機会をいただきました。その中で、事業の構想や価値観に強く惹かれ、特に「作り手・贈り手・受け手の全員が幸せになる三方よしの関係性」を掲げる“ハッピートライアングル”というバリューに深く共感し、この事業に自分も関わり貢献していきたいと思い、入社を決意しました。
「成長のステージで求められる“体制づくり”に挑戦」
ーー 入社後は、まず経理周りの立ち上げだったそうですね。
斉藤:
そうです。当時はまだ外部の税理士に依頼していた業務も多く、徐々に内製化しながら、監査対応や会計基盤の整備を進めていきました。スタートアップの中に入り、実務を担うのは初めてでしたが、これまで監査で培ってきた知見をすぐに活かせる環境だったため、立ち上げは比較的スムーズに進んだと思います。
ーー 当時はまさに組織や管理体制の強化フェーズだったんですね。
斉藤:
はい。シリーズBの直後で、今後の拡大を見据え社内体制の整備が進んでいました。バックオフィスも人数を拡大しながら、成長に合わせてしっかりと“守り”の仕組みを作っていく、そんな時期でした。
「柔軟な資金調達で、事業展開のスピードを落とさない」
ーーその後、Flex Capitalにご相談いただいたのはどういったタイミングでしたか?
斉藤:
ECだけでなく、催事や卸といったリアルチャネルでの展開が本格化してきた頃です。リアルチャネルにおいても在庫や物流など前倒しの投資も必要になるため、タイミングを逃さず動くためにはある程度の資金的余裕が求められます。そうした背景の中で、スピーディーかつ柔軟に調達できる手段を探していました。
ーー エクイティ調達だけでなく、デット調達を活用するという判断ですね。
斉藤:
そうですね。資本政策について、成長ステージに応じた資金調達の多様化が必要だと感じていました。ベンチャーデットは、会社のフェーズに合わせて選択肢を増やせる手段として非常に有効だと思います。
「“できるときに、やるべきことを” 機会損失を防ぐ選択」
ーー 実際に調達した資金は、どのように活用されましたか?
斉藤:
主に在庫確保のための資金として活用しました。たとえば、東京駅での催事出店では、しっかりと在庫を揃えて臨めたことが好成績につながりました。事前に準備しておけたことで、売上面でも手応えがありましたし、何より“攻めるべきタイミング”を逃さず動けたのは大きかったです。
ーー 機動的に打ち手を講じることができたという点で、効果が大きかったんですね。
斉藤:
はい。ある程度の先行投資が必要なフェーズにおいて、スピーディーな資金供給によって判断のスピードも上がりました。そうした“動ける状態”をキープできることが、結果的に事業拡大につながったと感じています。
「2回目の調達は“売れるチャンスを逃さない”ための備え」
ーー 今年1月には、2回目のご利用もいただきました。こちらはまた少し異なる背景があったのでしょうか。
斉藤:
そうですね。1回目は新規事業展開のための投資としての意味合いでしたが、2回目は「売れるとわかっている機会をしっかり取りにいく」という意味合いが大きかったです。催事や卸の引き合いが増えている中で、2月から3月にかけてのバレンタインデーやホワイトデーなどのイベント需要に対して、在庫を十分に確保しておき、機会損失を防ぐ意味でもとても重要でした。
ーー ありがとうございます。ちなみにFlex Capitalの審査申込みなどの手続きなどはいかがでしたでしょうか。率直なご感想をお願いします。
斉藤:
1回目の申込み時点でも手続きは非常にスムーズでしたが、2回目はさらに簡便になっており、freeeとの連携だけでほぼ完了しました。事務負担が少なく、スピーディーに進められたのは非常にありがたかったです。
「リアルとEC、そして洋菓子業界全体へと広がる視野」
ーー 今後はどんな展開をお考えですか?
斉藤:
現在はECと、卸・催事といったリアルチャネルでの展開を行っていますが、今後は「店舗DX」をはじめとした取り組みを通じて、洋菓子業界全体のデジタル化を推進し、洋菓子店の経営全体を支えるサービスの展開を目指しています。これは単なる事業の多角化ではなく、業界全体を次のステージへと押し上げるための投資だと考えています。
ーー 今後の展開が楽しみですね!コーポレートの体制についてはどのようにお考えですか。
斉藤:
チームとしては守り側となるので、磐石な体制を構築していくことはもちろん、経営全体で立てている計画が達成できるように、さまざまな仕込みをやっていこうと思っています。
さいごに
ーー こちらの記事を見ていただいているかたにメッセージをお願いします
斉藤:
「Cake.jp」は、誕生日や記念日などの特別な日にぴったりのスイーツを、ご自宅やオフィス、宿泊先などご指定の場所へお届けする専門ECサイトです。大切な人へのギフトや、イベント・パーティの華やぎに、ぜひ気軽にご活用いただければ嬉しいです。
また直近年度はEC事業、スイーツプロデュース事業、DX事業と3事業の体制となり、菓子領域のプラットフォーマーを目指し、すみずみまで感動体験をお届けできるよう事業を拡大しています。
それに伴い採用も随時募集しておりますので、Cake.jpの取り組みにご興味をお持ちいただけましたら、以下よりぜひお気軽にご応募ください。
ーー ありがとうございます!今後の更なる成長を応援しています!
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- 運営会社:株式会社Fivot
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